理容室と美容室の違い ~カット技術・スタイルや法律上の違い~
皆さんは、髪を切るときに、理容室と美容室、どちらに行かれますか?
何となく、イメージ的には男性が理容室で女性が美容室に行くのでは?と思いがちですが、一概にそうとは言えません。
似ているようでちょっと違う、理容室と美容室の違いを調べてみました。
理容室と美容室の違い
◆理容室
散髪、頭髪の刈り込み、顔剃りなどそれに付随する事などで容姿を整えることが業務内容となっています。
シャンプー台は前かがみになってするところが多いようですが、最近は仰向けの所も増えてきているそうです。
サインポールと呼ばれる、赤・青・白の線状の模様がぐるぐる回っているものが店頭に置いてあることがほとんどです。
◆美容室
化粧、パーマ、結髪などによって容姿を美しくするのが美容室の業務内容となっています。
シャンプー台の向きは仰向けですが、これは美容室は女性客が多いので化粧が落ちないようするためと言われています。
サインポールは置いていません。
理容室と美容室、床屋との違いは?
床屋と言うのは、呼び方が違うだけで理容室と同じです。
床屋という呼び名は江戸時代の理髪店の事を髪結い床と呼んだ事に由来しているそうです。
ちなみに理容・美容は終戦後から使われている言葉です。
理容室・美容室、それぞれの法律的な違いは?
◆理容室
理容室を開くには、理容師免許を必要とします。
理容師法に基づき、「頭髪の刈込、顔そり等の方法により容姿を整えること」が定義とされています。
刃物を扱う勉強をしていて、顔剃りや髭剃りを行うことが出来ます。
◆美容室
美容室を開くには、美容師免許を必要とします。
美容師法に基づき、「パーマネントウェーブ、結髪、化粧等の方法により容姿を美しくすること」が定義とされています。
顔剃りは本来出来なかったのですが、最近法律が変わり、軽い顔剃りだけは化粧の一部としてできるようになりましたが、男性の髭剃りは行う事はできません。
また、今まで男性のカットのみのサービスは理容師の領域の為、美容室では行ってはならないと定められていました。
しかし今、その考えは時代に合わないと言うことでこの規制が見直されており、2015年6月中に性別に関する規制を撤廃すると言った内容で閣議決定する予定だそうです。
理容室と美容室、カットに違いはある?
◆理容室
理容室でのカットの基礎は、7:3に分けた刈り上げと、所謂スポーツ刈りと呼ばれる2つのカットが基本となっています。
長さの違いのみで他のスタイルを調整します。
肩より長い髪をすいて整えたりというのは理容室においては特殊なカットの部類に入るので、そういったことからも女性のお客が少ないのかもしれません。
◆美容室
髪をすいたり、グラデーションやレイヤーという段をつけるカットやパーマなど様々な技法を組み合わせてスタイリングします。
理容室のようなキッチリしたカットは取り扱っていないことがほとんどで、美容室で男性がカットする場合は女性のショートの延長線と考えて良いようです。
理容室と美容室、技術の違いは?
理容室と美容室の違いは上で述べたとおり顔剃り(髭剃り)の有無が大きな違いですが、髪型に対するアプローチの仕方も大きな違いの一つです。
◆理容室
かみそりやバリカンで、もみ上げや襟足をきちんと整えてくれます。
リーゼントやオールバックなども理容室の得意分野で、一般的にキッチリした髪型を求める人は理容室に行くのが良いようです。
パーマは、単独ではなく、男性の刈り込みなどの仕上げとしてのパーマは行っても良い事となっています。
◆美容室
理容室とは逆で、ある程度のラフさや、繊細なカットやパーマで髪形をデザインして欲しい人は美容院に行くのが良いようです。
髪型だけでなく、着物の着付けやメイクをしてくれる美容室もあります。
高いセンスや技術・相性が求められますので、指名制度を利用する人も多いようです。
いかがでしたでしょうか?
このように、理容室と美容室は男女で分けているわけはなく、業務内容で分けられていますが、実際は取り扱える内容の違いなどから理容室は男性客がほとんどです。
しかし今風のラフな感じのおしゃれな髪形を求める男性が多くなり、美容室へ行く男性もかなり増えているのも事実です。
それぞれの得意分野や法律上できない事などもありますので、最終的には自分の希望に合った理容室・美容室に出会うまで色々なお店を巡ってみるのがいいかもしれませんね。