セリーグとパリーグの違い~投手・順位のルールなども~
プロ野球はセリーグとパリーグという2つのリーグに分かれて試合が行われます。
いったいなぜなのでしょうか?その分け方はどのように決まったのでしょうか?
またセリーグとパリーグでは、投手や順位の決め方などのルールにも違いがあります。
そのあたり、分かりやすくまとめました。
セリーグ/パリーグとは ~なぜこの分け方?~
まず最初にセリーグですが、正式には「セントラル・リーグ」と呼びます。
「読売ジャイアンツ(巨人)」「阪神タイガース」「広島東洋カープ」「横浜DeNAベイスターズ」「東京ヤクルトスワローズ」「中日ドラゴンズ」の6球団がセリーグに属しています。(2017年時点)
一方のパリーグですが、正式には「パシフィック・リーグ」と呼びます。
「福岡ソフトバンクホークス」「埼玉西武ライオンズ」「北海道日本ハムファイターズ」「オリックスバファローズ」「千葉ロッテマリーンズ」「東北楽天ゴールデンイーグルス」の6球団が属しています。(2017年時点)
そして、それぞれのリーグ内での闘いを勝ち抜いたチーム同士が対戦するのが「日本シリーズ」で、日本シリーズに勝ったチームがその年の「日本一」となります。
プロ野球のリーグですが、もともとは「日本野球連盟」として8チームで1つのリーグしかありませんでした。
それを「2リーグ制にしよう」という声があがり、新たに連盟に加わりたいという球団がいくつか出てきました。
その中の一つであった「毎日オリオンズ(現在の千葉ロッテマリーンズ)」の参入について、もともといた8チームの意見が分かれました。
そして賛成派と反対派が分裂して、それが今の2つのリーグになっていきました。
ちなみに、反対派が今のセリーグ、賛成派が今のパリーグです。
セリーグとパリーグの違い:投手のルール
セリーグとパリーグの違いで最も目につくのが、投手の役割についてのルールです。
セリーグでは投手もバッターをやるのですが、パリーグでは投手は投げるだけでバッターをやりません。
投手の代わりに、打つだけで守備につかない人がいます。
その人のことを「指名打者」と呼び、この制度のことをDH制と呼びます。
DHとは「Designated Hitter」の略で、この日本語訳が「指名打者」です。
セリーグのチームとパリーグのチームが対戦するときは、どちらの球場で試合をするかによってDH制かどうかが決まります。
セリーグの球場ではDH制はなし、パリーグの球場だとDH制あり、ということですね。
こちらもちなみに、セリーグのチームとパリーグのチームは、相手リーグのチームと闘う「交流戦」や「日本シリーズ」で対戦があります。
セリーグとパリーグの違い:順位の決め方
これはちょっとマニアックな話で説明が少し長くなりますので、興味のある方だけどうぞ。
セリーグとパリーグでは順位の決め方が微妙に違います。
各チームは約半年間にわたって、軽く100以上もの試合を行います。
そして基本的にはセリーグもパリーグも、勝った試合の割合である「勝率」で順位を決めていきます。
10試合して7勝3敗なら、勝率は7割です。
10試合して4勝6敗なら、勝率は4割です。
当然、勝率の高いチームの方が順位が高くなります。
ですがときどき2チーム以上が同じ勝率になることがあります。
ここでの注意点として「勝率を計算するときは引き分けの数は無視」します。
例えば巨人が10試合して「5勝5敗」という成績、阪神が12試合して「3勝3敗6引き分け」という成績だとします。
つまり、巨人は勝ちも負けも5試合ずつで、計10試合。そのうち5試合勝ったので、勝率は5割です。
阪神は、引き分けを無視すると3試合勝って3試合負けたので、計6試合。そのうち3試合勝ったので、阪神も勝率5割です。
勝率が同じとき、どちらのチームが上なのか、その決め方がセリーグとパリーグで違うのです。
セリーグの場合
1.勝利数の多い方:上の例だと、巨人が5勝していて、阪神は3勝なので、巨人の順位が上になります。
ですが、勝利数も同じ場合は、
2.直接対決の勝率が高い方:「巨人 VS 阪神」の全試合の成績を計算して、勝率の高い方が上になります。例えば7試合して巨人3勝、阪神4勝なら、阪神の順位が上になります。
それもまた同じ場合は、
3.前の年の順位が上の方が今回も上
となります。
パリーグの場合
1.直接対決の勝率が高い方:上で説明した2番目の内容と同じです。パリーグの場合、まずこのポイントを見ます。
これが同じ場合、
2.セリーグと闘った「交流戦」の試合を計算に入れずに、パリーグ同士の試合だけで勝率を計算して、それが高い方。
それでも同じ場合はセリーグと同じく、
3.前の年の順位が上の方が今回も上
となります。
どちらのリーグも3番目の基準のところまでくることはほとんどありませんが、可能性があることはルールをしっかり決めておかないと、いざという時に困りますもんね。
また、これは2017年時点のルールですが、ルールも変わることがありますので、「前のルールだったら、うちのチームが上だったのに」ということも起こりえます。
今回のように、ルールを知ることでプロ野球観戦がさらに楽しいものになればいいですね。