睡蓮と蓮(蓮華)の違い-蓮子や花言葉から仏教、育て方まで。

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初夏になると公園の池などで見かける睡蓮や蓮の花。見た目や育つ環境がとてもよく似ているため同じ花だと思われがちですが、はっきりとした違いがあります。

ずばり、睡蓮と蓮を見分けるポイントは2つ!葉と花の特徴を覚えておくだけで、簡単に見分けることができます。

睡蓮と蓮、葉の違い

◆睡蓮:葉に切り込みが入っている。緑色の他に、まだら模様や赤い葉もある。水を弾きにくい。

◆蓮(蓮華):葉に切り込みは無い。葉は緑色のみ。撥水性が高く、水を弾く。水滴がコロコロと転がる。

「葉に切り込みがあるかないか」で見分ける方法がとてもわかりやすいですね。

次に、花の違いを見てみましょう。

睡蓮と蓮の花の違い

◆睡蓮:水面に浮くように咲く。

◆蓮(蓮華):水面より上に伸びて咲く。

ひと目で見分けられるとてもわかりやすい特徴です。蓮は、大きな沼などではなんと2メートル以上も茎が伸びることがあります。「水面より高く伸びて咲いていたら蓮」と覚えておくと良いですね。

では、これらの違いを写真で見てみましょう。

睡蓮と蓮の違いを写真で

↑【睡蓮】

↑【蓮(蓮華)】

睡蓮じゃない!蓮子のやさしい味わい

蓮子(れんし)というのは、蓮の実のことです。

婦人病の改善や自律神経を整える作用があるとされ、古くから漢方や生薬として利用されています。

また、乾物の豆と同じように料理に活用することもあります。ほっこりとしてやさしい味わいです。

ちなみに蓮の花が終わった後、秋に土や泥の中で成長した根っこ(地下茎)がレンコンです。

一方、睡蓮の根は食用にはなりません。

その他にも、蓮の実である蓮子は数珠の材料となり、特に観音信仰の人によく用いられます。これは、蓮(蓮華)と仏教に深い関わりがあることに由来します。

睡蓮、蓮(蓮華)と仏教の関わりとは?

蓮は極楽浄土の花として古くから大切にされてきました。

その理由は諸説ありますが、ひとつは蓮の育つ場所に由来するとされます。

沼などの汚い泥の中から可憐で清らかな花を咲かせる様子が仏教の教えに通じ、泥水を現世の不浄の世界、蓮の花の上を極楽浄土と見立てると言われています。

仏教画などでは、蓮の花が仏様の座る蓮華座(れんげざ)として描かれることも多く、神聖な花として大切にされてきたことがわかりますね。

国宝の仏像などにも、仏様が蓮華座に座っている姿のものが多くあります。

ちなみに、睡蓮は印象派の画家モネ(Claude Monet)の油彩画としてとても有名です。

洋の東西を問わず人の心に響く美しさをもつことは、睡蓮と蓮の共通点ともいえるのではないでしょうか。

睡蓮と蓮の花言葉

◆睡蓮:優しさ 信頼 純情 信仰 甘美 清純な心

◆蓮:清らかな心 神聖 雄弁 沈着

どちらも穏やかな優美さを感じさせる花言葉を持っていますね。

ちなみに、日本語の呼び名はよく似ている睡蓮と蓮ですが、英語名では全く似ていません。

「睡蓮」は英語でWater lily(ウォーターリリー)。

Lilyはユリのことですね。日本語名の由来は、日差しが弱くなると花を閉じるその姿が、あたかも眠るようなことから睡眠の「睡」の字がつけられたと言われています。

一方「蓮(蓮華)」は、英語ではLotus(ロータス)。

日本語名の由来は、花が咲き終わった後の姿から。蓮の花びらが散ると、果托(かたく)ができます。この果托が蜂の巣に似ていることからハチの巣→ハチス→ハスと呼ばれるようになりました。

分類学上も、睡蓮はスイレン目スイレン科、蓮はヤマモガシ目ハス科と、明確な違いがあります。

睡蓮、蓮(蓮華)の育て方のコツ

とても優雅で神聖な雰囲気をもった睡蓮や蓮。ぜひ自分で育ててみたい!と思う人も多いのではないでしょうか。

家庭で育てるときに気をつけるポイント、きれいに咲かせるコツをご紹介します。

どちらも水を張った鉢などで栽培することができます。

◆睡蓮

睡蓮の生育には充分な日当たりが欠かせません。太陽の光に当たるほど花つきが良くなるので、株元までしっかりと日が当たる場所で育てましょう。

睡蓮には「耐寒性」と「熱帯性」の2種類があり、どちらの種類でも家庭で育てることができます。

ただし、熱帯性のものは水温が15度以下になると枯れてしまうので、真冬は室内に入れる必要があります。

夏場はボウフラが発生することがあるので、対策として鉢にメダカや金魚に住んでもらうのがおすすめ。

睡蓮鉢でのメダカの飼育は、自然な状態で生物が生活する環境を作る「ビオトープ」としても注目されていますね。

◆蓮(蓮華)

蓮も睡蓮と同じく、太陽の光を好みます。どちらかといえば蓮の方がより多くの日照時間を必要としますが、茎が高く伸びるため風が強い場所には向きません。環境に合わせて風よけなどを用意しましょう。

水は常に、あふれるくらいたっぷりと。夏場は蒸発しやすいので、一日2回程度補給します。このとき水中に酸素が行き渡るようにシャワーヘッドを使ったり、手でかきまぜると良いでしょう。

また、蓮の茎にはトゲがあるのでメダカや金魚を鉢に入れるのはおすすめしません。

睡蓮と蓮(蓮華)、開花時間は?

睡蓮も蓮も、早朝から昼頃までに咲くという共通点があります。

ただし、睡蓮には「夜睡蓮」とも呼ばれる午後以降に咲く品種もあります。

一方、蓮はまだ夜が明けないくらいの早朝から咲き始め、午後には花が閉じたり散ったりしてしまいます。

睡蓮、蓮のどちらも、きれいな花を鑑賞するなら断然早朝がおすすめです。

初夏から夏にかけ、清らかな姿で心を和ませてくれる睡蓮や蓮の花。古来から大切にされてきたこともあり、全国各地に名所があるのも特徴。

関東では上野恩賜公園や国営昭和記念公園、東海地区では静岡県の蓮華寺池公園などたくさんの種類の睡蓮や蓮の花を楽しめる場所があります。

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