警視庁と警察庁の違い-その階級や検察庁・公安のことも。
皆さんは警視庁と警察庁の違いはご存知でしょうか?
テレビドラマでよく出てくる刑事には警視庁が多いですね。
どちらも警察の組織ではありますが、
管轄の違いや役割など、どうなっているのでしょうか?
警視庁と警察庁の違いに加え、検察庁や公安についても調べてみましょう。
警視庁と警察庁の違い
警視庁
東京都の警察の本部のことです。
府なら府警、県なら県警と同じ役割で、47都道府県それぞれに設置されている組織です。
警視庁は東京都をまとめる地方組織の一つで、東京の治安維持のための組織です。
警察庁
国家組織で全国の警察組織の総元締めです。
警察全体の防犯対策や管理、各都道府県の警察本部の管理、刑法の運用や規則の制定を行う組織です。
警察の階級や警視庁の採用難易度は?
警察の階級
低い順から、巡査→巡査部長→警部補→警部→警視→警視正→警視長→警視監→警視総監となります。
警察官の採用
警察官は、国家公務員と地方公務員の2種類があります。
国家公務員試験に合格した人は、警察庁に採用されます。
ドラマなどでよく耳にする「キャリア」組で、警部補からスタートします。
つまり、国家公民試験に合格すれば新卒の22歳で警部補になれるということです。
また、地方公務員として都道府県で試験を受け、採用された警察官は「ノンキャリア」組です。
ノンキャリア組は、巡査からスタートということです。
ちなみにノンキャリア組は昇進試験を受けて巡査部長から警部補、そして警部へと進むことができますが、昇進試験は競争倍率が高いうえにかなり難しい試験のようです。
また、勝ち抜いて昇格したとしても、ノンキャリの最高位は警部ということのようです。
毎年警察官の採用者数は15,000人ほどありますが、国家公務員として採用されるのは10~15名程度しかありません。
したがってほとんどの警察官は地方公務員であり、ノンキャリアということになりますね。
警視庁の採用試験
東京都の地方公務員試験です。
特別難しいということはないようですが、決して簡単なものではないと思います。
他の地方公務員なら男女同枠ですが、こちらは男女別になります。
また、競争率も毎年7~12倍といわれています。
検察庁との違い
検察庁は検察官が行う事務を統括するところで、4種類あります。
最高検察庁、高等検察庁、地方検察庁、区検察庁。
いずれも、裁判所に対応して設置されています。
検察庁は警察など捜査機関から告訴や告発などの事件が送致され、検察庁はその事件を受理し、事件を処理する機関です。
検察官は刑事事件の捜査や取り調べを自ら行い、被疑者に対し起訴・不起訴の処分を行います。
被疑者の起訴について公判で立証して法の適正な適用を裁判所に求め、また、裁判の執行と指揮監督する権限も検察官は持っているのです。
公安との違い
警察には警備警察と公安警察の2種類があります。
警備警察
一般的な犯罪、例えば殺人事件や強盗、交通事故などを扱い、大半の警察官はこの警備警察を担当しています。
公安警察
公安警察と呼ばれるものですが、国家・公共の安寧を守る役目の警察です。
例えば思想犯を取り締まるなど特殊な警察で、以下のような組織や団体の調査、取り締まりをしています。
・過激派・テロ組織など
・反体制的な集団、組合など
・右翼・左翼団体
・オカルト教団など
・朝鮮総連、ロシア、中国など外国の機関
公安の活動が公にされることはあまりないようですが、盗聴やスパイ活動が時たま問題になることがありますね。
まとめ
テレビによく登場する警視庁といえば、警察の中でも権威のあるところと思う方もいるかも知れませんが、警察庁のほうが権威はあったのですね。
そして警察庁には警察官は居るが、刑事のように犯人を追うような人はいない。
いわゆるエリートの集団のようです。
公安や検察庁などの違いもきちんと理解すると、刑事ドラマや小説の内容も素早く理解できるようになるかもしれませんね。