郡と町の違い-「群」との違い、「市町村郡」の違いも。
普通地方公共団体には、市町村と呼ばれる団体があります。
しかしこの中には郡が含まれていないですね。どうしてでしょう。
ここでは、「郡」「町」の違い、それから「市」「村」を含めた違いを見ていき、「郡・郷・保」といったものについても触れていきます。
郡と町はどう違うのでしょう
郡
都道府県の下位区分の一つで、以前は町・村を包括する地方自治体だったのですが、1923年に郡制が廃止になり、以後は単に町村を包括する地理的区画で、自治体としての機能はなくなりました。
その証拠に郡には「長」がいません。
町
地方公共団体である町になるためには、該当する都道府県が定める条例による、人口や産業別の就業人口割合などの要件を満たす必要があります。
当然、町長がいます。
市・町・村・郡の違いはどうなるのかな
では、市・町・村・郡はそれぞれどう違うのでしょうか。
郡と町は、今見ましたので、次は市と村を見ていきます。
市
市になるには一定の条件があります。人口5万人以上、市の中心市街地を構成する戸数が全戸数の6割以上であること、その他条例の条件を満たすことなどがあります。
特例では人口3万人以上で認められることもあります。市長がいます。
村
市や町になることができない地方公共団体が村となります。村長がいます。
市や町になるためには関係市町村の申請に基づき、知事が議会での議決を経て決定し、総務大臣に届けることになっています。また、村の法的な要件はありません。
それぞれ、このような違いがあります。
村に法的な要件がないというのは、意外な感じもしますが、要するに市にも町にも該当しない地方自治体が「村」ということですね。
群と郡はどう違うのでしょう
郡と呼ばれる地域呼称はその郡部に属する町や村を包括して、公共団体である町村の一団を郡という地域内に包括して県の下位区分にあるものですね。
群はむれという意味合いから、町や村などが一塊になって、集団となって群れている状態を指します。
郡・郷・保とは?
奈良時代には行政区分けが行われ、近江、伊勢などという呼び名がありましたが、これら行政区を当時は国と呼んでいました。
この行政区を法文化したものが大宝律令です。
当時、国司は郡・郷・保など新たな単位で国内を編成しました。
そして郡司・郷司・保司を置き、税の徴収などを請け負わせていました。
時代を経て荘園と呼ばれる私領が沢山現れました。
私領は朝廷の管轄から独立しているため、大宝律令には含まれず、独立したものでした。
現代風に考えると、ある県の中に突然、個々の市町村レベルの広さを超える個人の領地ができ、県の権限は届かず、納税義務もないといったようなものです。
戦国時代まで混乱していた行政区画の混乱を終わらせたのが豊臣秀吉です。
秀吉による太閤検地によって、個人の所有地が明確化されました。
生駒郡と生駒市の違いはなんでしょう
生駒郡
生駒郡は人口76,933人、面積51.27㎢
平群町、三郷町、斑鳩町、安堵町の4つの町を包括しています。
1897年明治30年4月1日に郡制施行によって2町17村で生駒郡が発足しました。
当時は生駒市全域も生駒郡域でした。
1923年4月1日郡制が廃止され、以降は地方行政団体ではなく、単に地域区分名称となりました。
生駒市
生駒市は人口118,114人、面積53.15㎢
奈良県の北西部に位置しています。
平群郡南生駒村と北生駒村、生駒郡生駒町と添下郡北倭村が合併して生駒郡生駒町となり、1971年11月1日、市政施行して生駒市となりました。
この様に郡と市には生活様式やインフラに至るまで大きな違いがあります。
地域の発展にも多大な影響があるようです。