海抜と標高の違い-国土地理院の地図は便利!だけど…
海抜○メートル、標高△メートルなんて言葉、聞いたことがありませんか?
どちらも高さを表しているのですが、具体的にどんな違いがあるのかを説明できる人はそれほど多くないかもしれません。
そこで、今回は海抜と標高の違いに着目してみました。
海抜と標高の違い
◆海抜
海抜とは、近くにある港湾などの平均海面を基準としたときの高さを表しています。
数字が大きければ大きいほど、平均海面から高いことを表していて、津波や高潮対策などに必要になります。
◆標高
標高とは、東京湾の平均海面を基準にした土地の高さを表しています。
とはいえ、海面は風の強さや台風の影響などで波が大きかったり小さかったりするので一定ではありませんよね。
そのため、実際には国会前庭に設置されている日本水準原点(標高24.3900m)を基準点にして高さを測っています。
海抜は海からの高さ、標高は土地の高さを表しているようでした。
海抜や標高は国土地理院の地図で確認できる?
自分の住んでいる地域の海抜や標高を知りたいときにはどうやって調べれば良いのでしょうか?
特に海が近くにあるという人の場合は地震や津波に備えて海抜は知っておいて損はないはず。
まず標高については地理院地図を見るとすぐに調べることができます。
+のポインター部分に自分の知りたい土地を合わせて画面下にあるグレーのタブをクリックするだけで簡単に標高を確認することができますよ。
さてさて、続いて海抜なのですがどうやら地図上では標高と海抜は同等の扱いをされているみたいです。
そのため、海抜と標高を区別して表示する地図は私が見た範囲では見つけることができませんでした。
あったら誰か教えて~。
…TPって何!?
海抜を調べたことがある人なら見たことがあるかもしれない『TP』という表示。
何のことかというと、海抜を表す単位なのだそうです。
正しくは『Tokyo Peil(東京湾平均海面)』といい、略してTPと言います。
TPは1873年6月から1879年12月までの6年6カ月の間に満干潮位を測定して平均値を算出したもので、手間をかけて調べられたものだと分かります。
TPという単位は図面などに使用されているので、地図上では『m』で表示されています。
ちなみに図面上にある『EL』という表示は標高のこと。
あともう一つ、海抜を表す単位はTPの他に『OP』というものがあります。
OPとは大阪湾最低潮位を基準にした高さを表したものです。
TPとOPには1.3mの差異があり、もしTPで海抜5mだった場合にはOPに置き換えると海抜6.3mということになります。
『東京湾平均海面と大阪湾の平均海面はそんなに高さが違うの!?』と思ってしまいそうですが、実際には1.3mもの高さの違いはなく数cm~数10cm程度なのだとか。
ではどうして1.3mも違いがあるのかというと、それは最低潮位を基準にして考えているからです。
平均海面よりも、潮がおもいっきり引いているときの高さを元にOPは計測されているのでどうしても高さが大きくなるのです。
…何のためにこんな2種類があるのでしょうか。
実はOPは1874年(明治7年)に定義され、TPは計測期間が長かったこともありますがその後で定義されています。
もともとOPで計測されていたからそのままOPを使い続けている、ということなのかもしれませんね。