御霊前と御仏前の違い。御香典や御香料とも?不祝儀袋のことも少し。
親戚が知人がなくなった際に用意するご香典ですが、きっと誰でも一度は迷ってしまう『御霊前』と『御仏前』という2つの言葉。
「…あれ、御霊前だっけ?御仏前って書くんだっけ?」なんて急に不安になったことがあるのではないでしょうか。
御霊前と御仏前の違いについてご紹介していきましょう。
御霊前と御仏前の違い。御香典や御香料とも?
◆御霊前
御霊前とは、故人の御霊(みたま)の前を意味しています。
他には御霊に供える金品を意味しているようです。
おもに仏教・仏式のお葬式の場合に香典袋に記入します。
御霊前のほかに「御香典」や「御香料」などとも書きます。
◆御仏前
個人が成仏した仏様の前を意味しています。
もしくは、御仏に供える金品を意味しています。
御仏前という言葉は一般的に四十九日の法要が終わってから使用される言葉です。
御霊前・御仏前ともに亡くなった故人の前であることがわかります。
ほぼ同じことを意味している2つの言葉ですが、宗教や宗派によって霊に対する考え方が違うことから御霊前・御仏前などと使い分けているようです。
御霊前と御仏前、御香典の金額に違いはある?
御霊前と御仏前ですが、中に入れる金額には違いがあるのでしょうか?
どうやら御霊前・御仏前という言葉では金額に違いはないようです。
ただし、金額は持参した人の年齢や故人との付き合いの深さによって違いが出てきます。
また、仕事をしていれば取引先に香典を出す機会もあるでしょう。
その際には個人名ではなく、会社の名前とともに代表取締役(社長)の名前で香典を出すことも考えられます。
その際には自分で勝手に判断はせずに、上司に相談するようにしましょう。
御霊前と御仏前、不祝儀袋は?
御香典を入れる不祝儀袋ですが、御霊前と御仏前では不祝儀袋は違うのでしょうか?
先ほど少し触れたのですが、四十九日が過ぎたかどうかで御霊前と御仏前、どちらになるのかが決まります。
仏教ではお葬式の際に不祝儀袋は『御霊前』を記入します。
そして四十九日の法要が終わると『御仏前』を使用します。
仏教では、人は亡くなると霊になり、四十九日法要が終わると成仏して仏さまになるという考えがあるのだとか。
そのため、お葬式の際には『御霊前』、四十九日の法要が済んだら『御仏前』ということになるのだそうです。
ちなみに真宗では、人は亡くなるとすぐに浄土に還って成仏するという考えなので霊になるという考え方はありません。
そのため、お葬式の場であっても『御霊前』という言葉は使わないのだそうです。
宗教や宗派によって言葉が違うため、できれば御香典を持参する前に確認をしたほうが良いようです。
もしそういった確認ができない場合、仏教であることが分かっているなら御香典と書くと無難に済みます。
宗教は分からないけれど真宗ではないということであれば、御霊前にしておけば無難です。
それでも不安な場合には、周りの人に聞いて合わせるという方法もありますよ。
慌てずに落ち着いて対処することが大切です。