神父と牧師の違い ~服装や男女についても~
教会には神父がいますが、牧師もいますよね。
牧師は神父と一緒なのでしょうか…?
もし違うなら何が違うのでしょうか?
さっそく調べてみました。
神父と牧師の違い
◆神父
神父とは、カトリックと東方正教会の聖職者を言います。
神父は序列社会があり、トップにあたるのがローマ法王です。
カトリックの聖職者には大主教、長司祭、司祭、輔祭といった階級があります。
そのため、神父は一般の信者よりも高い位置におり、信者を統括する役割も持っています。
◆牧師
牧師とは、プロテスタントの聖職者を言います。
牧師は羊飼いを意味しているのですが、キリストが自身のことを『自分は牧者(羊飼い)である』と言っていたことから『牧師』という言葉ができたと言われています。
カトリックには序列がありますが、プロテスタントには階級はなく牧師も他の信者と同じ立場であるとしています。
カトリックとプロテスタントの違い
キリスト教にはたくさんの宗派があるのですが、カトリックとプロテスタントに大きく分けることができます。
もともとあったのはカトリックで、主とした考えは『イエス・キリストを信じることによってのみ救われる』というものです。
十字架にはイエス・キリストが張りつけられているのもカトリックの特徴で、教会の装飾が豪華であることでもカトリックだと分かります。
プロテスタントは宗教革命によって生まれた宗派です。
それまでカトリック教会は免罪符を発行し、免罪符を買うと罪が浄化されると言っていました。
その考えに異論を唱えたのがマルティン・ルターです。
ルターは『聖書の言葉のみを信仰の対象』とするプロテスタントを作りました。
他にも
『階級を作らない』
『マリアを人として見る』
『偶像崇拝しない』
『聖書の細かな解釈は個人で考える』
といった考えがあります。
また、十字架にはイエス・キリストが付いておらず、教会もシンプルなデザインになっています。
神父と牧師の服装の違い
では、神父と牧師には服装に違いがあるのでしょうか?
神父が普段着として着ているのは、スータンと呼ばれる真っ黒な学生服のような服で足元すっぽり隠れるくらい長いものです。
祭儀の際にはその黒い服の上にアルバという白色のガウンのような服を羽織り、さらにストラというストールをかけ、カズラと呼ばれるマントのようなものを羽織ります。
重ね着しまくりですね…。
一方牧師が普段着として着ているのは首もとに白い詰め襟がついたシャツにスーツという恰好です。
聖公会ではアングリカン・キャソックと呼ばれるガウンのような服を羽織ることもあるのだとか。
礼拝の際には聖公会、ルーテル教会だとキャソックの上にアルバやストール、カズラなどを重ね着するようです。
礼拝のときの服装はカトリックと似ているんですね。
神父と牧師、女性もなれる?
神父や牧師というと男性というイメージですよね。
女性も神父や牧師になることは可能なのでしょうか?
調べてみたところ、カトリックの場合は女性が神父になることはできません。
ただし、修道女(シスター)として仕えることは可能です。
一方プロテスタントの場合、教派によっては女性でも牧師になれるのだそうです。
とは言うものの、女性の牧師に対して否定的な信者もいるようで、そうした人物からはいろいろと厳しい意見が出されるのだそうです。
女性の牧師は信者とのコミュニケーションも大変なのかもしれませんね。