「生かす」と「活かす」の違い・使い方。就活の履歴書や英語の話も。
私たちの生活の中で、よく使うことのある「いかす」という言葉。
口頭で話すときはそんなに深く考えないものの、漢字にすると「生かす」と「活かす」はどちらなのだろうかと悩んだことのある人も多いのはないでしょうか。
その意味の違いと使い方から、就活や履歴書での場合、英語での表現などを分かりやすく説明します。
「生かす」と「活かす」の違いと使い方
辞書を引いてみると「生かす」も「活かす」も意味は両方一緒に記載されているものが多いようです。
「生き返らせる。死なないようにする。能力などを十分に発揮させる。有効に使う。活用する。」といった意味ですね。
ですので、辞書によればどちらを使用しても間違いではないのでしょうが、この2つの「いかす」はどういう使い方、使い分けができるのでしょうか。
◆生かす
おもに人や生命を「生きている状態にする」こととして使えば違和感がないでしょう。
「植物を生かす」「(動物)の手術をして生かす」のように使えます。
◆活かす
経験や能力、時間などを「活用する」意味でよく使われています。
就活や履歴書などでのアピール項目でも「特技を活かして」「学生時代の経験を活かして」などとよく書きますよね。
ほかにも「隙間時間を活かす仕事」と求人広告などで目にすることもありますね。
また、経験や才能、時間などを活用する意味の「いかす」は「生かす」と「活かす」のどちらを使っても間違いではないので、命に関係することを表すときのみ「生かす」を使うものと覚えておけば、就活の時の履歴書、作文、レポートなど文書を書くときに失敗しないでしょう。
ちなみに、常用漢字表には「活かす」の音訓読みがないので公用文には使用できません。
そのため、法令、新聞や雑誌、放送でも使用できないのです。
メディア関係の用語集にも「活かす」→「生かす」と記載されているようです。
「生かす」「活かす」の英語での使い方は?
今度は、「生かす」「活かす」はそれぞれ英語でどのように使うのか見てみます。
◆生かす
「生かす」は英語で「revive」を使います。
「生かす、生き返る、吹き返す」という意味です。
「resuscitate」という英単語も「(死ぬ寸前の人を)生き返らせる」「(人工呼吸などで)生き返らせる」などの意味があります。
◆活かす
「活かす」は英語では、活用という意味あいで「use」を使うことが多いようです。
例えば「私はこの経験を活かす」は「I will make use of this experience」となります。
「take advantage of」という表現も「~を活かす」「~を利用する」という意味があるので、能力や経験を「いかす」と伝えたいときに使えますね。
その他、「to draw on」、「to capitalize on」にも経験、才能、特技を活かすという意味があるので英語では様々な表現が出来そうですね。
最後に
日本語の漢字にはいろいろな用法や表記があって複雑な場合があります。
今回取り上げた「いかす」の他にも、読み方が同じだけどどのように使い分けるのかが曖昧な単語が数多くあります。
最近ではメディア関係の表記が書いてある書籍、一般人向けの日本語の正しい表記について書かれている書籍など、様々なものが販売されています。
nhk出版から出版されている「NHK漢字表記辞典」は一般の方にも役立つ「常用漢字一覧」も収録されているのでそういうのも購入してみると、迷った時に役に立ちますね。