台風・タイフーンの違い、似てるのは偶然?ハリケーン・サイクロンとの違いも。

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台風・タイフーン・ハリケーン・サイクロン。

これらはすべて、強い雨や風をともなう熱帯低気圧のことを指します。

たがいに似てる気象現象だということはわかるけど、実際どのように呼び分けられているのかを説明できる人は少ないのではないでしょうか。

これらの違いをスッキリ理解するには、「日本基準」「世界基準」「風速」「地域」という4つのキーワードが役立ちそうです。

台風とタイフーンの違い

◆台風

「最大風速毎秒17.2m以上」「アジア周辺の太平洋に存在すること」

この2つが、「台風」と呼ばれるための条件です。

そして台風は「日本基準」で認定されます。

まずこれを覚えておいて、「タイフーン」と比較するとよりわかりやすくなります。

◆タイフーン

「最大風速毎秒33m以上」「アジア周辺の太平洋に存在すること」

「タイフーン」と呼ばれるための条件は、この2つです。

風速の部分だけが台風と違いますね。

これはどういうことかというと、日本の基準では「最大風速毎秒17.2m以上」=台風。

世界の基準では「最大風速毎秒33m以上」=タイフーン。

つまり、世界基準においては「最大風速毎秒33m以下の、アジア周辺の太平洋に存在する嵐」を指す呼び名は無いのです。

へぇー、という感じですね。では次に、ハリケーンとサイクロンを見てみましょう。

ハリケーンとサイクロンの違い

◆ハリケーン

「最大風速毎秒33m以上」「大西洋と太平洋北部に存在すること」

おもに北アメリカ大陸周辺の地域ですね。

◆サイクロン

「最大風速毎秒33m以上」「インド洋、太平洋南部に存在すること」

南米やオーストラリア周辺の地域です。

なるほど。タイフーン・ハリケーン・サイクロンは、風速については「世界基準」で同一、「地域」の違いによって呼び名が変わるということですね。

もう一度整理すると、こうなります。

「台風」と「タイフーン」は、地域は同じで風速の基準に違いがある。

「タイフーン」「ハリケーン」「サイクロン」は、風速の基準は同じで地域に違いがある。

だいぶスッキリしてきました。

ちなみに、発生からどんどん移動していった場合、呼び方も変わっていくそうです。

台風とタイフーン。似ているのは偶然?語源は?

日本語の「台風」と英語の「タイフーン」。

よく似ていますね。

口に出してみると、ほぼ同じともいえます。

これは偶然なのでしょうか?

それとも、日本の「津波」が英語でもそのまま「Tsunami」と使われているのと同じような現象なのでしょうか。

語源を調べてみると、いくつかの説があります。

1、台湾や中国で、激しい風のことを「大風(タイフーン)」といい、それが英語の「typhoon(タイフーン)となった。

2、アラビア語で、ぐるぐるまわるという意味の「tufan」が「typhoon」となった。

3、ギリシャ神話の風の神「typhon(テュフォン)」が「typhoon」となった。

これらが英語のタイフーンの語源と言われているようです。

日本では、古くは台風や大嵐のことを「野分き(のわき)」と呼んでいました。

その後、明治時代末に当時の気象台長だった岡田武松が「颱風(たいふう)」と呼んだという記録が残っています。

さらに、当用漢字が定められた1946年以降は「台」の字が使われるようになり、現在の「台風」という呼び名が定着したとのことです。

元々は海外の言葉「タイフーン」があって、そこから日本語の「台風」が生まれたということですね。「台風」と「タイフーン」が似ているのは偶然ではなかったということです。

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