表記と標記・表題と標題の使い分け、意味の違い
「ひょうきの件」と言うとき、「表記」なのか「標記」なのかに迷います。
また、同じことが「表題」と「標題」にもありますよね。
標記と表記の違い、標題と表題の違い、それぞれの意味と使い分けについてまとめました。
表記と標記の違いと意味
まず、「表記」と「標記」について見ていきます。
◆表記の意味
「表記」の意味は、「おもて(表面)に書き記すこと。また、その記されたもの」「文字や記号を使って表して記すこと」となります。
◆標記の意味
一方「標記」の意味は、「目印として記すこと。また、その記されたもの」「タイトルとして書き記すこと」となります。
◆表記と標記の違い
表記と標記の違いは、文字通り、それぞれの一文字目「表」と「標」にあります。
「表」の文字は「あらわす」と読むことからも分かるように、何かを「(言葉・絵などで)示す」という意味です。
なので「表記」は「(何かを)表現して記すこと」となります。
対して「標」の文字は「印」などと同じく、「しるし」と読むことができる文字です。
ですので「標記」は「(何かの)目印として記すこと」となるのですね。
表記と標記の使い分け
これらを踏まえて、表記と標記の使い分けを例を使って見ておきましょう。
◆表記の例
・このお菓子にはカロリーが表記されていない。
・日本語表記でも問題ありません。
・免許証に住所が表記されている。
◆標記の例
・看板の標記に従ってください。
・標記の議題について意見をお願いします。
表記の件?標記の件?メールで見かけるけれど…
仕事でメールのやりとりなどをしていると、「標記の件ですが・・・」「表記の件について・・・」といった表現を見かけますが、どう違うのでしょうか?
「標記の件について」と言うときは、「メールの件名(タイトルや見出し)で書いたことについて」ということを表しています。
「表記の件」とすると、「(単にメールに)書き表された件」というニュアンスになるでしょう。
また、件名をメールの「おもてがき(手紙や書物などの表面に書いてあるもの)」と捉えている感覚になるという見方もできるでしょう。
どちらを使うべきか迷った場合は「標記の件」を使用しておけば無難と言えそうです。
表題と標題の違い
では、「表題」と「標題」の違いはどうなるでしょうか。
表題と標題は、どちらも「書物や演劇や講演などのタイトル」という意味になります。
この2つの違いは、「表題」の方が「標題」よりも「大きなタイトル」だということです。
本の表紙に書いてあるのが「表題」で、中身の各章のタイトル(見出し)が「標題」という感じです。
メールでは「表題の件」が一般的と言えますが、たくさんあるメール一つひとつを、書物の一つひとつの「章」のようなイメージで捉えているなら「標題の件」とすることもできるでしょう。
いかがでしたでしょうか。
似ているようでそれぞれ違う「ひょうき」と「ひょうだい」。
上手く使い分けていきたいですね。