共に・供に・伴にー「ともに」の意味の違いと使い分け
「 共に」、「供に」、「伴に」・・・「ともに」という言葉を使うとき、どう使い分けたらいいのでしょうか?
漢字の意味も含めて見ていきましょう。
共に・供に・伴にー意味の違いはある?
「共通」「共同作業」などで使われる「共」、「花を供える」「提供」などで使われる「供」、「伴走」「伴奏」などで使われる「伴」。
あまり意識したことなく使い分けていましたが、調べてわかった衝撃の事実がありました。
共に・供に・伴に・・・3つともその意味はほぼ同じだったのです。
じゃあどう使い分けたらいいの?ということで表題に戻ります。
共に・供に・伴にー使い分け
■「共に」
「共」という漢字は「又」という文字が左右対称に2つかかれた字形。
そして「又」の語源は「手」の形なので、「共」という字は左右の手を合わせた姿となります。
左右の手を「(両方)ともに」挙げているというところから「ともに」の意味になりました。
一般的にはこの「共に」を使いますが、語源の意味を考えると、「一緒に・同時に」の意味合いのときに使えます。
■ひらがなの「ともに」と「共に」の使い分け
一般的には「共に」と述べしましたが・・・では、ひらがなの「ともに」は何にでも使えるのでしょうか?
簡単にその違いを挙げてみます。
「共に」・・・「一緒に」の意味合いがある時に使用します。例えば「お父さんと共に釣りに出かけた」といった使い方ができます。
「ともに」・・・「同時に」、「(複数を表す名詞の後に続く「ともに」の場合に)みんな同じ状態、どちらも」という意味合いがある時に使用します。例えば「ともに学んだライバルたち」、「母子ともに明るく元気な様子でした」というように使えますね。
この使い分けができると、読む人により伝わるのではないでしょうか。
ですが、使い分けで困った時はひらがなで書いておけば問題はないと思います。
実際に、ひらがな表記「ともに」は、ひんぱんに見かけますよね。
■「供に」
先ほどの「共」に「人」(にんべん)を加えた「供に」は、「共に」という字の当て字になります。
人と一緒に・・・という意味が強まってはいますが、「供に」という漢字しか使えないということはありません。
また、この漢字には「人が神様などに願いを込めて物を捧げる」「目上の人に仕えたり、付き従う」という意味合いがあります。
「ご主人様をお供する」なんて言い方があるように、その意味合いを踏まえて使えるとよいですね。
■「伴に」
「半」は生け贄用の牛を2等分するという語源の説があります。
そこから2つの物や人が一緒にいる、ともにあることで「伴」になりました。そこから「つれ」「とも」の意味になりました。
「共」と同じ意味が含まれていますので「共に」で表記して間違いはないのですが「伴に」はどういう時に使うといいのでしょうか。
一緒に、という意味にはなってはしまうのですが「伴奏」や「伴走」の場合、隣や近くで「ともに」その行動(演奏、走る)をしている時に使うとより情景が浮かびます。「伴にコンクールで演奏し、金賞を受賞した」や「伴に走ってくれたおかげでくじけずに完走できた」といった感じですね。
ただし、「伴」は常用漢字だけど音訓表に示されていない文字、つまり「伴に」を「ともに」と元々は読めないものです。
公用文では「ともに」とされていましたので、後は使う人次第です。
まとめ
多くの場合、「共に」か「ともに」を使えば間違いではないです。
■「共に」・・・特に「一緒に」の意味合いで使われる
■「ともに」・・・特に「同時に」の意味合いで使われる。「共に」と比べてより一般的な意味で使われる。
■「供に」・・・「共に」の当て字
■「伴に」・・・「一緒に」「同時に」の意味で使われるが大体は「共に」と表記され、「伴に」の形で使われることはあまりない。(「~の伴、お伴」のように使うことが多いです)
ぜひ参考にしてみてください。