紅葉(もみじ)と楓(かえで)の違い
秋、紅葉シーズンを迎えた山々を彩るモミジは、とても美しいものです。
そんな風情のある美しいもみじ、楓とは何が違うのでしょうか?
どちらも形は似たような感じですが、一体どこが違うのか、由来や語源と併せて調べてみました。
楓(かえで)と紅葉(もみじ)との違い
楓ともみじはどちらもカエデ科カエデ属で、植物分類上は区別がありません。
もみじは、楓の種類の中の一つなのです。
しかし、盆栽や園芸の世界においては、楓ともみじは明確な違いがあります。
◆楓
葉の切れ込みが浅くて大きく、突起の数が多いです。
トウカエデ、イタヤカエデなどが該当します。
葉の形が蛙の手に似ていることから、「蛙手」(かえるで)が語源となり、それが「かへるで」となり、さらに転じて「かえで」と呼ばれるようになったと言われています。
◆もみじ
葉の形が小さくて切れ込みが深く、突起の数は5~7。
イロハモミジ、オオモミジ、ヤマモミジなどが該当します。
紅花から染料を揉み出す「もみづ」から来ていると言われ、染料が染み出すように紅く色づいた様子から「もみぢ」となり、楓の中でも特に色の変わる種類を「もみじ」と呼ぶようになったそうです。
楓は世界中にありますが、もみじと区別するのは日本だけです。
楓が色づくと「もみじ」と呼んで区別することが多いのだそうです。
もみじ狩りなどという言葉もあるように、色づくことで呼び名を変えるようなところは、日本人の繊細な感性が伝わってくるような気がしますね。
楓ともみじはどのくらい種類がある?
楓は世界中に数百種類以上、その中でもみじと分類されるものは十数種類はあります。
有名な例で言いますと、カナダの国旗には真ん中に大きく楓の絵が描かれています。
これはサトウカエデという種類の楓です。
楓ももみじも、日本以外では区別がないというのはすでに述べていますが、どちらも英語では「メープル」と言います。
皆さんもよくご存知のメープルシロップは、カナダの国旗にも描かれているサトウカエデの樹液から取られたものです。
そんな数多くある楓(もみじ)ですが、世界中でも紅葉(こうよう)が見られる国は多くはありません。
紅葉が見られる国の多くは、日本を含む東アジアの沿岸部や、ヨーロッパの一部、北アメリカの東部に限られているのです。
その中でも日本は落葉広葉樹が多く、紅葉シーズンになると赤や黄色やオレンジなど色彩豊かで美しいと、世界から注目されているそうです。
楓とは違う?もみじの育て方
上の方でも述べている通り、楓ともみじは分類上は同じものなので、育て方は同じということになります。
一般に販売されているような品種は、どれも栽培が容易です。
庭植えの場合は、半日陰~ひなたの、水はけの良い場所に植えつけます。
鉢植えの場合は2~3年に1回植え替えをします。
日当たりの良い場所に置き、夏は半日陰の場所に、冬は枝の保護のために風や霜が当たらない場所に置き、よく日光にも当てて冬を越しましょう。
植え付け、植え替え、どちらの場合も10月下旬~11月、または2~3月に行います。
庭植えであれば水遣りは不要ですが、鉢植えの場合は水切れを起こさないように特に夏場は朝よると水遣りをします。
水分の不足は葉の湾曲や葉がしおれたりするので注意が必要です。
また、剪定については、楓は自然の形が美しい為、庭上であれば剪定の必要はありません。
しかし、あまり大きくしたくないなどの事情がある場合や、鉢植えで育てる場合は、落葉後、なるべく早い時期に剪定を行います。
秋の行楽シーズンには欠かせないもみじ狩り。
色とりどりに染め上げられたもみじをゆっくりと眺めることができるのは、日本ならではの贅沢です。
日々忙しくしている皆様も、紅葉シーズンにはぜひゆったりと紅葉を楽しんでみて下さいね。