「子ども」と「子供」の違い
「こども」という漢字を書くとき、皆さんは「子ども」「子供」どちらを書いていますか?
あまり深く考えずに書いていた方も多いかと思います。
どちらでも間違いではありませんが、敢えて表記に違いがあるのは何か理由があるのでしょうか。
今回は、「子ども」「子供」の表記の違いや使い分けなどについて調べてみました。
子どもと子供、表記の違い
「こども」の表記には、「子ども」「子供」が多く使用され、場合により「こども」「コドモ」であったり様々な表記で表されています。
しかし、「子供」という表記が差別的であるという意見が上がり、多くの公文書や教育現場などでは「子供」という表記をやめて「子ども」と表記を用いてきました。
では、なぜ「子供」が差別に当たるのでしょう。
それにはいくつか理由があります。
「子供」の「供」という漢字が「お供」=こどもが大人の付随物であるという意味を連想させる為だとか、「お供え物」を表す言葉が、昔行われていたこどもを神への生贄とした事を連想させるとか、漢字の持つ意味そのものが子供の軽視に繋がると思われる為です。
また、「供」は単なる当て字なので、ひらがなにするべきだという意見もあるそうです。
そして、漢字よりもひらがなの方が印象が柔らかいということもあり、長らく教育の場やビジネスシーンなどで、こどもの表記には「子ども」が使われることが多くなっていました。
一方で、「供」は小学校6年生で習う漢字なのに漢字を使わないのは原則から外れているとか、子どもには漢字で書かせて大人はひらがなと漢字が混ざった混ぜ書きをするということに違和感を覚えるという疑問の声も少なからずありました。
「子供は差別用語ではない」文部科学省(文科省)が子ども→子供に統一を決定
「子ども」という表記に対する反対派と賛成派がいる状況の中、文部科学省で協議した結果、2013年、「子供は差別表現や否定的な意味ではない」として、文部科学省は全ての公用文書を「子供」に統一しました。
とはいえ現状ではあくまで文部科学省内での公用文書でのみの統一ということで、強制というわけではありません。
実際、メディアなどでは今でも「子ども」の表記が多いですし、どの表記を用いなくてはならないという明確なルールはありません。
子どもと子供、使い分けは?
上でご説明したとおり、文部科学省では「子供」で統一されましたが、他の場面はどのように使い分けられているのでしょう。
◆子ども
テレビなどのメディアや、一部の教材会社ではこちらの「子ども」を使用していることが多いようです。
また、PTA・学校関連の会報などでも使用されていることが多いそうです。
ひらがなの方が可愛らしい為という意見もあり、「子ども」は広く浸透しているようです。
◆子供
公用文書では漢字で書くのがルールです。
新聞などではどちらも使われています。
いかがでしたか?
「子ども」と「子供」は、言葉に対する考え方の違いから違いが来ていました。
どちらの言葉でも間違いではありませんので、文面やその文章のニュアンスなどで使い分けてもいいかと思います。
漢字一つ違うだけでも受け取り方は人それぞれなので、難しいところではありますね!