保証・保障・補償-意味の違いと使い分け、英語表記も。
「ほしょう金を支払う」、「ほしょうがついているので一安心だ」・・・などなど、「ほしょう」という単語を耳にすることも多いと思います。
保証・保障・補償…どの漢字使っても間違ってないように見えるのがなかなか曲者ですね。
日常やビジネスで使う時に間違えないためにも違いや使い所をあげてみました。
「保証」「保障」「補償」-意味の違いと使い分け
◆「保証」とは
「証」という漢字には「ありのままを言う、またはそのための書類や行為など」「あかし(確かにそうだというしるし)」といった意味があり、それを踏まえた上で次のような意味となります。
『大丈夫であると認め、責任を請け合うことと』
『人、ものに対して欠陥が発生した時、他人に及ぼす損害の責任を引き受ける』
「この家電の保証期間は3年だ」「彼女の人柄は保証する」「連帯保証人」など、物や人に対して責任を持つ、というときに使います。
「責任」という部分に重点を置いているようですね。
◆「保障」とは
「障」の漢字には「物を間に置いてさえぎる、仕切る」「防ぎ、守るもの(砦)」などの意味があります。
それを踏まえて、『ある状態が損なわれないように保護し、その状態を保つこと』という意味になるようです。
「生活を保障する」「日米安全保障条約」などといった使い方がされています。
「保護」「守る」という部分に重点が置かれていますね。
◆「補償」とは
まずそれぞれの漢字の意味ですが、「補」=「おぎなう/破損した部分を直す」、「償」=「つぐなう」となります。
ですので「補償」だと、『損失、損害、費用などを補い、(主に金銭で)償うこと』『公務や業務によって生じた障害、天災などによって生じた財産上の損害を(主に金銭で)つぐなうこと』という意味になります。
「修理の費用は当社が補償します」「地震災害を補償する」といった使い方があります。
「なんらかの損害の後に」「(金銭で)償い」という部分に重点が置かれていますね。
保証・保障・補償-英語では?
使い分けの助けになればと、余談にはなりますが3つの「ほしょう」を英語でいうとどうなるのか?をまとめてみました。
意味が多彩にあるので一例として見てください。
外来語としてよく耳にする言葉も多いのでイメージしやすいと思います。
◆保証
・guarantee(~が確かであると)保証する、請け合う
・warranty(行動など)正当化、正当とする根拠、(正式な)認可、許可
・passport 安全通行保証書
・security(ローンなどの)保証人、担保
・surety(借金など)保証人、引受人
など
◆保障
・indemnity(損害や障害に対する)保障
・palladium(基本的には元素のパラジウムを指しますが)保障、守護
など
◆補償
・atonement(悪事、損害に対する)償い、補償
・coverage(保険会社が保険加入者に支払う)補償
・recompense(損害、過失に対して)償う、弁償、補償する
・restitution(損害に対する)補償、賠償
など
まとめ
「保証」・・・人柄や身元、物の品質など認めて責任を請けおうこと。
「保障」・・・現状を守り、損なわれないよう保護すること。
「補償」・・・損失、損害を与えた際に(主に金銭で)償うこと。
使い分けをまとめると
◆保険で生命保険では「保証」、自動車損害賠償保障法(自賠法)だと「保障」、損害保険では「補償」が使用されます。
◆品質は保証し、消費者の安全も保障し、万が一損害が出たたら補償してもらえます。
といった感じになります。
いかがでしたでしょうか?それぞれかなり意味が違うものでしたね。
正しい意味で覚えて、ぜひ活用してみてください。