お詣り・お参り・参拝・参詣の違いと使い分けや作法
お寺に「お参り」に行こう・・・あれ?「お詣り」だっけ?
そう言えば、「参拝(さんぱい)」「参詣(さんけい)」なんて言葉もあったなあ。。。
ここではそれぞれの意味の違いと使い分けをまとめました。
「お詣り」と「お参り」の違いと使い分け
この2つは「おまいり」する相手が神様か仏様かで変わってきます。
同じように手を合わせますが、作法や意味合いも違います。
◆お詣り
「詣」は「いたる」という意味で、行く、到着する、まいる、として使われます。
言と旨から出来上がっている文字で、味の良い食物を見つける、という意味もあるそうです。
こちらの文字を使う時は神様が相手のときです。神社に行く場合は「お詣り」と言います。
そして、お詣りでは手をたたきます。音を出すという行為は心霊的なものを呼びよせ、神様を呼ぶ呼び鈴のような意味があるそうです。
◆お参り
「参」は目上の人に会う、照らし合わせて考える、という意味があり、目上の人やその場所へもうでる、としても使われます。
こちらの文字を使うのは仏様が相手の時です。お寺やお墓に挨拶に行くときは「お参り」です。
お参りの手を合わせる行為は合掌(尊敬、感謝を表す所作)することを指します。
参拝と参詣の違いと使い分け
「参拝」と「参詣」は似たような意味です。ではどう使い分けているのでしょうか?
◆参拝(さんぱい)
神社仏閣に行って拝む行為を指します。
◆参詣(さんけい)
神社仏閣へ足を運ぶこと自体を指します。
つまり、手を合わせたり祈願せず、鳥居や山門を通るだけでも参詣といいます。
参拝するにはそのお寺や神社へ赴かなければいけない(参詣)とできないところから、一般的には同意語として扱うことが多いです。
「お参り」と「お詣り」ではお寺と神社で使い分けがされていますが、参詣と参拝はこのような使い分けはありません。
神社でのお詣りの作法
続いて神社でお詣りする時の作法です。
気をつけることがいくつかありますので覚えておくといいでしょう。
1.参道の真ん中を歩かない(中央は「正中」といい神様が通るところをです)
2.鳥居をくぐる前に(帽子をかぶっていれば外し)、衣服を整え、小揖(しょうゆう、15度位の浅いお辞儀のこと)をしてから入る
3.手水舎で手と口を清める
1杯分で左手を清める→右手を清める→口を清める→柄杓を縦にして持ち手を清める・・・するのがマナー。繰り返し水をすくうのはマナー違反。
4.軽く頭を下げ、お賽銭を入れる
5.鈴を鳴らす
6.二礼二拍手一礼する
神様に敬意を表すための二拝。神様を招くために二拍手。このとき、右手は少し下にずらします。掌をずらすのは神様と人がまだ一体になっていないという意味です。二度手をたたく事で神様を招く、その後手を合わせることで神様と人が一体となり、神様の力をもらえるそうです。
7.神様を送り返す意味で一拝。
このように行います。
基本的には二拝二拍手一拝が作法なのですが、神社によって異なる場合があります。
出雲大社では二拝四拍手一拝、伊勢神宮では八杯二拍手一拝などです。
余談ですが「礼」は30~45度くらいのお辞儀、「拝」は約90度の深いお辞儀を意味します。
お寺でのお参りの作法
続いてお寺にお参りするときの作法です。お寺へのお詣りと混同しないためにもぜひ参考にしてください。
1.山門を入る前に一小揖(しょうゆう)
山門の敷居を踏まないようにしましょう。山門を踏むということはその家の主人の頭を踏みつけるのと同じと言われており無作法にあたります。
2.手水舎でお清め(お詣り参照)
3.お線香、灯明があれば献香、献灯
4.一小揖し、お賽銭を入れる
5.鰐口(わにぐち、仏堂・神殿の前に掛け、つるした綱で打ち鳴らす道具)などの鳴らしものがあれば鳴らす
6.胸の前で合掌し、祈願する
神社へのお詣りと違う点です。決して手を打たないようにしましょう。
まとめ
・「お詣り」・・・神社に行く時に使う(神様)
・「お参り」・・・お寺、お墓に行く時に使う(仏様)
・「参詣」・・・神社仏閣に行くこと
・「参拝」・・・神社仏閣に行っておまいりすること。基本的には参詣、参拝はあまり使い分けされていない
ご参考にしてくださいね。