バターとマーガリンの違い:味・値段・カロリー・代用OK?からトランス脂肪酸まで。
バターとマーガリン、あなたはどちら派ですか?
ひょっとするとバターとマーガリンなんてどっちも似たようなものだろ、って言う人もいるかもしれません。
たしかに、言われてみるとバターとマーガリンって何が違うのでしょうか。
材料?カロリー?値段?味?…。
違いを知るために調べてきました。
ここでは、分かりやすさを優先して込み入った説明は省略し、「おおまかに分かればいい」というくらいにまとめました。
バターとマーガリンの違い:材料と作り方
バターとマーガリンの違いを決定づける一番のものは、この「材料と作り方」になります。
バターの材料と作り方
バターの材料は基本的に牛乳です。
牛乳の中には脂肪の粒がたくさん浮いていて、この粒をぎゅっと集めて固めて、練り上げたものがバターとなります。
理科の実験で、容器に入った牛乳をシェイクしまくったことはないでしょうか?
ひたすらシェイクしまくると、突然脂肪の塊が出現します。この塊がバターです。
大昔からある、とてもシンプルなものです。
マーガリンの材料と作り方
一方、マーガリンはというと、材料は主に大豆油、なたね油、コーン油、パーム油、ヤシ油、ひまわり油などの植物油、魚・牛・豚などから採れる動物性の油です。
この油に、水や食塩や粉ミルクなどを加えて混ぜ合わせ、固めて練り上げたものがマーガリンとなります。
ふつうは混ざり合わない水と油を混ぜ合わせて固形にするために、水素を加えて科学的に処理します。(このとき、悪名高き「トランス脂肪酸」が発生します。後で説明します。)
なんだか、バターと違って「頑張って」「無理やり」に作り上げてる感じがしますが、それもそのはず。
そもそもマーガリンは高価なバターの代用品として、「なんとかバターのようなものを」ということで発明されたのが始まりなのです。
マーガリンのようなファットスプレッド?
もうひとつ、マーガリンによく似た製品で「ファットスプレッド」があります。
主な成分や作り方はマーガリンと同じなのですが、油・脂を含む割合が80%未満のものをファットスプレッドと呼びます。
逆に言えば、マーガリンは80%以上が油・脂で出来ているということです。
また、ファットスプレッドは果実やチョコレート、ナッツなど風味のための材料を加えることも想定されています。
「マーガリン」だと思っていた商品が実は「ファットスプレッド」だった、ということも普通にあります。
バターとマーガリンの違い:カロリー
バターとマーガリン、カロリーで見た場合は違いがあるのでしょうか。
結論から言うと、どちらもカロリーはほぼ同じです。
マーガリンは80%以上が油・脂だと言いましたが、実はバターも80%以上が乳脂肪分で出来ているのです。
バターもマーガリンも、大さじ1(約12g)で90kcal程度です。
ファットスプレッドは油・脂がマーガリンより少ないだけあって、大さじ1(約12g)で76kcal程度とカロリーも若干控えめです。
バターとマーガリンの違い:味・値段
では、バターとマーガリンの味の違いはどうなのでしょう?
多くの人が感じている通り、バターの味はコクと深みがあります。お菓子作りやパン作りに使えば、しっかりとしたバターの風味が楽しめます。
バターに比べてマーガリンの味は、あっさり・ふんわりといった感じです。お菓子作りやパン作りに使えば、軽くてふんわりした食感が楽しめ、クッキーなどでは「サクサクと軽い」感じが出ます。
バターがないときにマーガリンで代用するのも、このことを踏まえておけば大丈夫です。
そもそもマーガリンは「バターの代用品」として発明されてものでしたからね。
ですので、値段も多くの場合、バターの方がマーガリンよりも高いです。
バターとマーガリンの違い:トランス脂肪酸
マーガリンの作り方のところで出てきた「トランス脂肪酸」。
摂りすぎると、心筋梗塞などの冠動脈疾患やアレルギー性疾患はじめ、さまざまな人体への悪影響があると言われています。
いろいろな食品にトランス脂肪酸が含まれているのですが、一般にマーガリンは含まれている量が多いため注目されます。
実はバターにも多少のトランス脂肪酸が含まれているのですが、問題とされているのはマーガリンの方のトランス脂肪酸です。
マーガリンの作り方のところで説明したように、「水素を加える」ことで発生する人工的なトランス脂肪酸が、摂りすぎると人体に良くないとされています。
バターのトランス脂肪酸は原料の牛乳にもとから含まれる「自然のトランス脂肪酸」です。
人工的なトランス脂肪酸は、市販の菓子パン・ケーキ・スナック・揚げ物など、またファストフードやファミレスでの揚げ物など、結構いたるところで使われ含まれています。
気を付けておかないと、知らぬ間に摂りすぎてしまっているかもしれません。