捺印と押印(押捺)の違い
社会人になると、何かと目にする機会が多くなる押印と捺印。
どちらも印鑑を押す時に使われる言葉ですが、はっきりした違いなどはあるのでしょうか?
効力の違いなどに着目しながら、押印と捺印の違いを調べてみました。
押印と捺印(押捺)の違い
これは、どちらも印鑑を押す行為を表す言葉で、意味としてはまったく同じものとなります。
「押捺」という言葉がありますが、それは2つの言葉の意味に違いがないことから来ています。
ただし一般的に言うと、以下のように、若干の区別があるようです。
◆押印
手書きでない記名に印鑑を押したり、単に印鑑のみを押す行為の事
◆捺印
署名の末尾に印鑑を押す行為という区別がされているようです。
署名と記名の違いと捺印とは
署名と記名は、印鑑についてのお話をするのに重要なキーワードとなっています。
署名とは、自ら手書きで氏名を書くこと。
記名とは、自分の氏名のゴム印や、書類に印字された氏名のこと。
記名は本人でなくとも誰でも出来るものなので、記名のみでは効力がなく、署名の代わりになりません。
ただし、記名押印であれば署名に代えることができると、法律で定められています。
記名があれば契約などの書類上の手続きは成立しますが、安全の為に、一般的には署名をしてさらに印鑑を押すのが通例です。
署名は本人の手書きということで証拠能力が高く、
①署名捺印
②署名のみ
③記名押印
④記名のみ
という順になっています。
手書きである署名にさらに印鑑を押す署名捺印が一番証拠能力が高く、記名のみというのはほぼ効力がないに等しいのです。
署名捺印と署名押印、違いはある?
署名捺印とは、自らが手書きで氏名を書き、自分の印鑑を押すことで一番効力があるというのは上記でお話しましたが、似たような言葉に署名押印という言葉があります。
捺印と押印は同じ意味ですので、同じ意味では?と思われることでしょう。
確かに、どちらも自筆での氏名の記入と印鑑を押すということで同じような意味ですが、署名押印という言葉はほとんど使われることがありません。
「署名」には「捺印」「記名」には「押印」がセットになっているのが一般的なので、覚えておくと良いかと思います。
実印と認印とは?
ハンコつながりでよく耳にする「実印」と「認印」。
これらは一体どういう意味なのかといいますと、以下のようになります。
実印
印鑑登録されている印鑑の事で、主に大事な契約ごとに使われる重要な印鑑です。
実印は、本人が契約したという証明になる為、そのようなシーンで使われることが多いのです。
印鑑登録した印鑑と印鑑証明書は、大変重要なものなので大切に保管しなくてはなりません。
たとえ第三者でも、実印と印鑑証明書さえあればそれで本人に成りすますことも出来てしまうからです。
認印
印鑑登録されていない印鑑で、意思確認や承認など、使う機会が非常に多く一番生活に馴染みのある印鑑のことです。
朱肉を付けて押すものだけでなく朱肉無しで使えるシャチハタも認印になります。
実印と違って、印鑑証明による本人確認ができないので、大事な契約ごとに使われることはほとんどありません。
※印鑑登録・・・役所に自分だけの印鑑を登録する事。
印鑑証明書はその登録されている印鑑が本物であるという事を書面で表したものになります。
大人になると何かと印鑑を押す機会が巡ってきます。
自分が今押した印鑑はどういう意味を持っているのか、契約ごとの書類や日常の様々なシーンで登場する印鑑の種類や効力の違いなど、社会人として頭に入れておくと良いですね!