通夜・葬儀・告別式の違いー意味・日程などについて。
経験することはあまり多くないことですが、大半の人が経験するであろう身内や近しい人とのお別れ。
お葬式などを行うにしても勝手がわからない・・・葬儀屋に手続き頼めばいいでしょう?と思われるかもしれません。
専門の方にお願いはすることになっても一連の流れや日程など、知っておくとよりスムーズに行えるかと思います。
ここでは通夜・葬儀・告別式の違いや意味・日程などをまとめてみました。
【通夜・葬儀・告別式】意味と違い
◆「通夜」とは
死者を葬る前に家族・親族など集まって遺体を守り一夜を明かすことを指します。仏堂で終夜(しゅうや・よもすがら→一晩中の意味)祈願をすることも指します。
昔は死の確認が難しかったので一晩かけて本当に亡くなっているか確認するという意味や故人がもう1度蘇ることを願った儀式とも言われていました。
現在は一晩中、ということはなく18時以降1時間~3時間ほどで終わる「半通夜」が多くなっています。
この後に故人との最後の食事として「通夜ぶるまい」が行われるのが一般的です。
告別式に来ることができない人が故人と最期に会う場にもなりつつあります。
◆「葬儀」とは
葬儀と葬式は同じ意味です。故人の冥福を祈り、死者を弔い葬る際の儀式を指します。宗教的な色合いが強く、仏式では故人に仏の弟子としての戒律を与え、浄土へ導くという意味がありました。
こちらは10時から15時の間に行われることが多いです。
宗教、宗派によって異なりますが、僧侶の読経や焼香、流れで約40分程度で閉式です。
閉式後は家族など親しい人のみで、出棺→火葬→精進落とし(本来は四十九日の忌明けに出す精進料理をさしましたが、現在は火葬場から戻った時にふるまう食事を指すことが多いです)→収骨と続き、約3時間程かかります。
◆「告別式」とは
死者を弔い葬る儀式、としては葬式とおなじなのですが、こちらは社会的な式典を指すことが多くなりました。
葬儀に参列できなかった一般会葬者が最後の別れをする場でもあります。
もともとは故人と最後の別れをする儀式のことを指し、昔は葬儀の後、遺骨を墓地に埋葬する直前に行う儀式とされていたようなのですが、今ではそこまで一緒に行くことがなくなってきたため、葬儀と一緒に行われることが多くなっています。
著名人が亡くなった時は後日ファンの方もお別れができるように日をおいて告別式を開く場合が多いです。
「葬儀」「告別式」がまとめて「葬式」と呼ばれています。が、本来の意味としては葬儀と葬式は同じ意味です。
最近では葬儀にかける費用が経済的に余裕がない、呼べる親族・知人がほとんどいない、遺族の負担を軽くする、宗教離れにより葬儀の重要性が薄れたなどの理由で通夜、告別式を行わない「火葬式」、「直葬」を行う人も増えています。
直葬、と言っても日本の法律では死後24時間は火葬できませんので少なくとも翌日以降の火葬となります。
ほとんどの病院では翌日まで安置させてもらえないため、諸々の手続きも含め葬儀社への依頼は必要です。
一般的な流れと日程
亡くなった日の翌日に通夜、翌々日に葬儀、告別式を行うのが一般的です。
流れとしては逝去日にお迎え→ご安置→通夜→葬式(葬儀・告別式)→火葬、とここまでで3日程かかります。
この日数は逝去日にすぐ動いた場合でありますが、実は通夜、告別式はすぐに(◯日後に)行わなければならない、という決まりはありません。
極端な話、亡くなって1週間後に通夜を行っても構いません。
しかし、現実的に考えると先ほど記述しましたが病院で安置してもらえないので、家族自身で安置や腐敗を防ぐよう保存をしなくてはいけません。
ですのでなるべく早く行うのがいいでしょう。
◆知っておきたいこと
なるべく早く行ったほうがいい、と書きましたがスムーズにいかない場合もあります。
・冬季
・葬儀場の予約がいっぱいで取れない
・葬式(火葬)が友引
・年末年始
という場合です。
親族や家族の日程が合わない・・・といったこともありえますが他のパターンとしてはこういったことが挙げられます。
冬季は夏季に比べて寒さのせいか亡くなる人が多いと言われています。
その結果(地域にもよりますが)火葬場の予約が取れないこともあります。
日本では「六曜」の考えを大切にしており、主に冠婚葬祭などの儀式と結びついて縁起がいい、悪いなどと言われています。
その中で『「友引」は葬式を避ける』、とあるため火葬場の多くは友引の日を休みにしています。
加えて、基本的に年中無休の葬儀場ですが、年末年始は休むところが大半です。
もし都合悪くスムーズに行えない場合、遺体をちゃんと保存しなくては腐敗してしまいますのでドライアイスでの保存、期間が長引く場合はエンバーミング技法での保存を葬儀社に相談してみてください。
エンバーミング技法・・・詳細は省きますが遺体を衛生的に保つ技法です。ドライアイスが4~7日の保存期間に対し、エンバーミングは常温で10~20日保存できます。ただし、遺体にメスを入れて行う技法なので十分に検討した上で判断してください。
いずれ経験するであろう日に、慌ててしまって故人を偲ぶこともゆっくりできなかった、なんてことのないよう少しでも参考にしていただければと思います。