【見る・観る・視る】意味の違いと使い分けー診る・看るとの違いや英語の場合は?
日本語の「みる」という言葉には、たくさんの漢字がありますよね。
「見る」が一番よく使われると思いますが、「みる」を調べたところ「見る」「観る」「視る」「看る」「診る」がありました。
それぞれの意味や、どういう時にどの漢字で使うのか、違いをあげていこうと思います。
また、英語の場合はどうなのか、も調べてみました。
見る・観る・視るの違いと使い分け
【見る】
一般的に一番よく使われていますね。
ほかの「みる」を総合していますが、中心となる概念は、意識的に見ているものではなく目に入っていて視覚的に認識していること、みえていることをさします。
「屋根の上にカラスが見える」
「向こうから友達が歩いてきているのが見えた」
といったような使い方をします。
【観る】
テレビやスポーツ観戦、観光など意識して周りをみている(見物している)ものをさします。
なんとなくつけていたテレビは「見る」、ドラマの続きが気になって夢中でみた場合などは「観る」と使い分けるといいですね。
「楽しみにしていた映画を観に行った」
「富士山を観てきた」
といった使い方をします。
【視る】
「観る」よりもより注視している時に使います。
観るは全体ですが、どこかの一連の動きなど集中してみている時もこの「視る」を使うといいでしょう。
視察の意味合いのみる、もこちらを使います。
「職人の手さばきを視ていた」
「不審な動きをしている人を視る」
といったような使い方をします。
「看る」「診る」ー意味の違いと使い分け
「みる」には、他にも「看る」「診る」という漢字も使われます。
こちらの2つは普段あまり使わないかもしれませんが、その意味の違いと使い分けをあげてみました。
【看る】
世話をすることや、文字の意味どおり看護することを目的とするときに使います。
対象が現状より悪くならないように、気を配っているときもこの字を使うといいでしょう。
「風邪を引いた子どもを看る」
「骨折した母親を看る」
このような使い方をします。
【診る】
こちらも文字の意味が表すように、診察や身体の様子を調べるときなどに使います。
「体調がよくないので医者に診てもらう」
「医者が僕の脈拍を診た」
といった使い方をします。
実はまだあったー「監る」「覧る」の意味と使い分け
調べていくと、実は「みる」には他にも漢字がありました。
ざっと「みて」おきましょう。
【監る】監視すること
【覧る】一通り眺めること
7つの「みる」をあげました。
日本語の豊かさでもあり、ややこしさでもありますね。
見る・観る・視る…英語では?
では、次に英語の場合はどうなるのでしょうか。
主にSee, Look, Watchの3つがあります。
見ている度合としては、「See<Look< Watch」となるようです。
それではひとつづつどのような時に使うのかあげていきたいと思います。
【See】は「見える」
seeの場合、目に映る、見える、といった意味合いとなります。特に意識して見よう、としている訳ではなくそこにいたら見えているもの、などに使用します。
ですので「見」の漢字が一番近い概念ですが、「見る」より「見える」という意味合いになります。
ちなみに、偶然知り合いと会った時などもこのseeを使います。
【Look】は「見る」「視る」
lookの場合は対象に自分の意志で視線を向ける、目に映す場合に使用します。
日本語では「見る」か「視る」に対応すると言えそうです。
視線だけでなく、探す(looking for)場合や意識を対象に向ける場合もlookとなります。
【Watch】は「観る」
watchの場合、動くもの、変化のあるものをしばらく見ている、目で追いかけている場合に使用します。
日本語の「観る」が一番近いですね。
以上「みる」について違いや使い分けの例をあげてみました。
様々な状況でこう使うのか!とわかると、とても面白いですね。
ぜひ活用してみてくださいね。