表れると現れるの違いと意味―効果や成果、病気の症状のときの使い分けなども。
さて、今回は『表れる』と『現れる』の違いについてご紹介しましょう。
何気なく使っている漢字ですが、実は使い方が間違っていた、なんてこともあるかもしれませんね。
ちょっとしたニュアンスで使い方に迷うことがあると思いますので、ぜひチェックして正しい使い方を身に着けてみてください。
表れると現れるの違いと意味
◆表れる
心の中の思いが外に出て目で見て分かるときに使用します。
表現する・表に出るという場合に『表れる』を使います。
◆現れる
隠れていたものが見えるようになったときに『現れる』を使用します。
「姿を現す」「本性を現す」という使い方をします。
一応の区別を付けることができるものの、『表れる』と『現れる』は同意語として扱われているため、話している人の考えや立場によってどちらの漢字を使用するのかが違ってきます。
例えば「研究の成果があらわれる」という場合に使用する漢字は『表れる』でも『現れる』であってもどちらも間違いではないのだとか。
人によって使い方が違うということを覚えておくと良いかもしれませんね。
『表れる』?『現れる』?「効果(成果)があらわれる」のときの漢字はどっち?
次は「効果(成果)があらわれる」というときの漢字は『表れる』なのか『現れる』なのか、というもの。
もし漢字を間違っていてそれを指摘されると恥ずかしいので、ネットで調べるという気持ち、よく分かります。
さっそく調べてみると、「効果(成果)が現れる」とするのが正しいのだそうです。
さきほども紹介しましたが、『現れる』は見えなかったものが見えるようになる・姿を見せるときに使用する感じです。
今まで効果があるか分からなかったけれど、やっとその効果が出た、結果が見えたということから『現れる』という漢字を使うということなのかもしれませんね。
『表れる』と『現れる』、病気の症状の時に使うのはどちらの漢字?
何か病気の症状があらわれた場合には、『表れる』と『現れる』、どちらの漢字を使うのでしょうか?
何かが表面に出たときに使われる『表れる』という漢字と、隠れていたものが出てきたときに使われる『現れる』という漢字。
どちらも考えようによっては使えるように思います。
いろいろ調べてみたところ「症状や副作用が表れる」という表現があることがわかりました。
なんでも「読売スタイルブック2011」に用例として掲載されているのだそうです。
なるほど、最初にその事実を見つけてくれた人に感謝です。
『表れる』と『現れる』、使い分けの仕方
同意語として使われている『表れる』と『現れる』は使い分けの仕方が難しいですよね。
まず『表れる』を使う場合は抽象的なものを言うときに使うことが多いです。
主に「効果」や「心情」、「成績」などを指しているときに使用されます。
例えるなら「効果が表れる」「喜びを表す」「努力の成果が表れる」などなど。
そして『現れる』を使う場合には目に見えて分かるようになる、つまり出現するというとき。
例えば「うさぎが現れる」「太陽が現れる」「UFOが現れる」などなど、何かの動物や人物、物体などが見えた時に使います。
『表れる』と『現れる』はその対象が抽象的か、はたまたはっきりとしたモノなのかによって使い方が違うと思っておけば分かりやすいかもしれませんね。